ユウサク
みなさんは「お寿司」は好きですか?
さすがに日本に住んでいて「寿司を食べた事がない」という人は少ないと思いますが、「身近にあり過ぎて 逆に あまり食べない…」なんて人もいるのではないでしょうか。
最近では「回転ずし」なんてモノが登場し、気軽に食べれるようになった「寿司」ですが…。
普通の寿司に比べると「安すぎてちょっと怖い」といったイメージすら湧いてきますねwww
今回は、そんな日本の代表的な食文化である「寿司」について、簡単にまとめていきます
~もくじ~
寿司とは
「寿司(すし、鮨、鮓)」とは、「酢飯」と 主に「魚介類」を組み合わせた日本料理です。
一番 馴染みがあるモノは「にぎり寿司(wiki)」という、酢飯の小さな塊に「ネタ」と呼ばれる具材を乗せて握った「早ずし」の一種です。
江戸(東京)が発祥の地である事から「江戸前寿司」とも呼ばれます。
他には、「ちらし寿司(wiki)」や「ばら寿司」、「五目ずし」といった、酢飯に様々な具材を乗せたモノも寿司の一種で、地方や地域、乗せる具材などによってその呼び名は異なります。
さらに、
・大阪などで親しまれる「押し寿司(箱寿司、バッテラ寿司)」
・家庭で親しみの深い「巻き寿司(海苔巻き)」
・寿司の原点と言われている、乳酸発酵によって作られる「なれずし(熟れ寿司)」
・甘辛く煮た油揚げの中に酢飯を詰めた「いなり寿司(稲荷寿司)」
などなど、わたしたちに馴染みの深いモノから地方のモノまで含めると、多種多様な「寿司」が存在します。
・寿司の語源
「すし」という呼び名の語源は、酢をまぜた「酢飯(すめし)」から 来ているとされています。
他にも「鮨」、「鮓」といった表現もされますが、これらは「魚+旨い」、「魚+酢(すっぱい)」と合わせた 当て字だとされていて、
現在、一般的に使用されている「寿司」という漢字は、「寿(ことぶき)を司(つかさど)る」という意味で、祝いの席などの「おめでたい時に食べるモノ」という意味を持っているんだそうです。
・寿司の発祥
元々 すし屋は「立ち食い」の屋台から発展してきた 庶民的な食べ物でしたが、「時代の変化」や「新鮮な魚が手に入りづらくなる」などの理由によって「高級な食べ物」へと変化していったと言われています。(元々そんなに安くは提供されていなかったようですが…)
現在では回転ずしの普及や、冷蔵技術の普及、海外からの輸入などが容易になった事によって、誰でも気軽に「江戸前寿司(握り寿司)」が食べられるようになりました。
・寿司の業界
寿司産業は、昨今の「回転寿司ブーム」によって、少子高齢化、不景気による生活費困窮の厳しい外食産業の中で、年々利益を上げ続けているモンスター産業だと言われています。
その ほとんどは「回転寿司」のチェーンを抱える、大手企業(スシロー、くら寿司、はま寿司、かっぱ寿司など)が占めており、最近では獲れたての鮮魚を職人が店内で捌き、カウンター内で握ってくれる「グルメ回転寿司」なんてモノも人気なんだそうです。
ですが その一方で、昔からの伝統や、技術を受け継いできた いわゆる「回らない寿司」は、店舗数や売り上げ高を減らし「衰退産業」となってしまっています。
もちろん店舗数の減少に伴って寿司職人などの人数も減少しており、今や 日本に来た「外国からの旅行者」は、回転寿司が日本の「本当の寿司の味」だと思っている人も多いことでしょう。
近い未来には「本当に美味しい寿司を握る技術」は必要なくなり、ロボットが握った酢飯や、冷凍食材や添加物で品質を調整したモノばかりになってしまうのではないでしょうか?
魚って内陸に住む人間にとっては「高級食材」なんですが…「安いのがアタリマエ」となってしまう わたし達は少し感覚がマヒしているとも言えてしまいます。
大手チェーンの介入による 価格競争の末に、寿司業界は大きく変化してしまった…というワケです。
・海外における「sushi」とは
寿司は日本の代表的な料理として、また ヘルシーな健康食として全世界に広く知られています。
今や海外でも「すし=sushi」と言えば その名称のままに通じるの事が多いでしょう。
ですが、海外では わたしたち日本人の知る「寿司」とはちょっと違った独自の文化として進化を続けていると言われています。
西洋の方では昔から「生魚」を食べる習慣がないことから、鳥のささ身や、ツナ(焼きマグロ)、アボガドなどを使った「巻き寿司」が人気で、マンゴーや、イチゴなどのフルーツを使ったモノも多いんだそうです。
アメリカでは「カルフォルニア・ロール」や、「アラスカ・ロール」、「ニューヨーク・ロール」なんて地域ごとに独自に開発されたモノも存在していて、もう完全に「別物」と呼べるところまで進化しています。汗
その一方で、日本人であれば日常的に食べるような、タコや、イカ、いくら、貝類、カニ、ウニ、ウナギ、アナゴ、海苔、といったものは、外国の人間からすると、「ゲテモノ(ちょっと気持ちの悪いモノ)」として扱われる事も多く、あまり受け入れられないんだそうです。(まあ、日本人が ヘビや、トカゲ、虫の幼虫なんかを食べないのと同じような感覚でしょうね…)
食文化の違いによって様々な進化を続ける「寿司」ですが、いまや世界の食文化として受け入れられ、広く愛されている と言えます。
寿司のイロイロ
寿司は 日本発祥の食べ物として 身近にあるにも関わらず「詳しくは知らない」なんて人も多いようです。(わたしダァww)
ここからは寿司の用語や、基礎知識などを簡単に見ていきましょう。
・寿司業界でよく使われる用語
・シャリ
主に白米の事を指す言葉。(炊いたご飯を「銀シャリ」と呼ぶ事も)
寿司に使われる場合は「酢飯」の事を指し、白く細かい 飯が お釈迦様の遺骨である「仏舎利(ぶっしゃり)」に似ているため そう呼ばれるそうです。
・ネタ
江戸前寿司などで「酢飯の上に乗せる食材」を「ネタ」と呼びます。(巻きずしなどでは中の具材の事)
寿司の「タネ」を逆さにしたのが語源と言われています。
・ガリ
寿司の横などに添えられる甘酢漬けの「生姜」の事。
噛むときにガリガリというので「ガリ」と呼ばれる。細菌の繁殖を抑える効果や、口直しのために添えられる事が多い。
・アガリ
「お茶」の事をアガリと言います。
基本的には、寿司を食べる合間の 口直しのために出されますが、「最後(アガリ)」に出す お茶の事を指してそう呼ばれる。
・ムラサキ
「醤油」の事をそう呼びます。
醤油を光に透かすと紫色に見える…。その色合いから「ムラサキ」と呼ぶそうです。
・ナミダ(サビ)
「わさび」の事を指します。
わさびは効きすぎると 涙が出るので「ナミダ」と呼ばれる。ちなみに、わさびを抜く事は「サビ抜き」と言う。
・お愛想(おあいそ)
「お勘定をする際に使う言葉」…だと思うかもしれませんが、これは 本来お店側が使う言葉で、客側が使う場合は失礼に当たるんだそうですww
ちなみに ガリや、ムラサキなどの言葉も 店側や、同業者間で使う「符牒(ふちょう:業界用語)」なため、あまり通(ツウ)ぶって言いまわるのはヤメた方がいいかもしれません…。汗
・軍艦巻き
海苔で巻いたシャリにネタを乗せたモノをそう呼ぶ。
形が軍艦の艦橋に似ている事からそう呼ばれ、主にイクラやウニなど、シャリの上に乗せにくいネタを使う場合に用いられる海鮮戦術の一つ。
・時価(じか)
仕入れの値段によって モノの値段が変わる場合「時価」と表示される。
接待で使う際の配慮(相手に清算金額を知られない)や、仕入値段が大きく変わった時に対応しやすい事や、客によって値段を変える事ができる。など、魚を扱う寿司屋 特有のモノと言えるかもしれません。
・寿司職人
お寿司を握る事に特化した職人の事を指す。
ちなみに、「板前(いたまえ)」は和食全般を調理する人なので、寿司職人とは違いますよ。
・ネタの種類
・マグロ(トロ)
寿司と言えばマグロだろ!!という程の人気の魚です。
冷蔵技術が発達するまでは 足の早い魚(腐りやすい魚)として、あまり食べられていなかったそうです。
トロは脂質の多い腹部の身を指し、口に入れた際にトロっと溶ける事からそう呼ばれる。
大型魚のため、他にも、赤身、中トロ、大トロ、中落ち、カブトなど 部位によってイロイロな味や、食感が楽しめる。
安いモノは海外産の養殖マグロがほとんど。
・サーモン(鮭、マス)
今や回転寿司などでは大人気のネタですね。
元々は 江戸前寿司などで使われる事のなかったネタで、ニジマスの養殖技術や、冷凍技術の発達によって 寄生虫(アニサキス)の問題を排除できるようになった ため、寿司ネタとして使われるようになったんだそうです。
ちなみに、今市場に流通するサーモンは 海で養殖されたニジマスがほとんどで、「白身魚であるニジマス(トラウトサーモン)」に甲殻類などの色素を使って人工着色した「なんちゃってサーモン」ばかりなんだそうです…。
寿司には他にも様々なネタが使われますが、詳しく知りたい方は「他サイト:お寿司屋さんの歩き方」で魚の種類ごとに詳しく解説してくれているので そちらをどうぞ。投げ
・寿司は身体にイイのか?
寿司はヘルシーで身体にいい。とされますが…、その辺は どうなのでしょう?
基本的には、魚に含まれる「DHAや、EPA」といった成分の他に「お酢」が身体にいいとされています。
ではでは、寿司に含まれる成分などをちょっとだけ見ていきます。
・「DHA、EPA」
DHA(ドコサヘキサエン酸)と、EPA(エイコサペンタエン酸)とは、魚に多く含まれる成分で、特に マグロや サーモンなどの脂がのった魚には多く含まれます。
この成分は「必須脂肪酸(オメガ3脂肪酸)」と呼ばれ、「体内で作る事ができないから食品から摂るしかない」とされてきましたが…最近の研究で「体内で作られている」事が分かっています。
脳の機能や記憶などに影響する事が分かっているため、成長期の子供などには特に必要と言われています。
ちなみに「血液をサラサラにしてくれる」といった健康効果もよく聞きますが…、「血液がサラサラな状態」そのものが存在しないので、どうかは分かりませんwww
・「お 酢」
寿司に使われる酢には、砂糖や、塩、みりん などを混ぜて作る「すし酢」が使われます。
酢(食酢)とは、糖分を「アルコール発酵」させる、またはアルコールを「酢酸発酵(さくさんはっこう)」させて作られた調味料の一種です。
通常は 米などの穀物から作られたモノが一般的ですが、糖分を多く含むものであれば、フルーツ(柿、りんご、バナナなど)などを使って作る事もできます。
酢には 酢酸や、アミノ酸、クエン酸などの有機酸の他にも 様々な成分が含まれています。
基本的には「酸性」を示しますが、体内で分解されて「アルカリ性」を示す働きをするため、身体をアルカリに保ち、抗酸化作用をもつ「健康食品」として知られています。
寿司は身体にイイ…とは言ったものの、「使われる原料」や、「調味料の品質」にもよる…という事も知っておいてください。
酢そのものにしても、「醸造アルコール」から作られ、速醸法といった時間をかけずに作られたモノは健康効果は薄いと言えますし、すし酢に混ぜられる「塩」にも、精製塩や、化学調味料が使われる事が一般的です。
健康効果だけを鵜呑みにせずに、モノの品質を見極める必要もあるという事です。
回転寿司のイロイロ
安い寿司を提供してくれる「回転寿司」ですが、なぜあんなにも安く、安定した味や、品質を保てるのか?
そこには、様々な「企業努力」や、「経費削減」は もちろんですが…、イメージ操作や、消費者を騙すようなウソも含まれています。
そんな回転ずしの話を見ていきましょう。
・回転寿司はなぜ安いのか?
最近の回転寿司は、ほとんどがロボットで作業を行う「半自動化」が進んでいます。
人件費を抑えるために、魚の事を知っている寿司職人なんぞは置かず、アルバイト店員が機械の握ったシャリに「加工済みのネタ」を乗せるだけで済むようになっています。
他に、タッチパネル式の注文端末を導入し、全ての注文データをリアルタイムで集計する事で、効率よく 売れ筋商品をレーンに流し、廃棄ロスを減らす工夫などもなされています。
さらに、安く魚を調達するために、外国で獲れた魚を使うのがほとんどです。
上で書いた「サーモン」のように、似た種類の魚をわたしたちの馴染みのある名前の魚として提供している例が多いと言われています。
そういった魚を「代用魚」と言いますが、さすがに偽装食材に対する世間の目も厳しいため、昔ほどヒドイ例はないとは思いますが…(興味があれば調べてみて下さいww)
日本で古くから食用されてきた魚介類に よく似た「外国魚」や「深海魚」、「同科目魚」の魚を代わりに使う事で代用する。
魚のフライなど、品目が表示されないモノには特によく使われているとされる。(代用魚:Wiki)
ちなみに、日本で養殖されたモノであっても安心はできませんよ?
「養殖」は、薬剤などを大量に使うため「危険だ!」という話もありますし、海に存在し得ない餌(牛の粉骨など)や、薬剤、抗生物質、栄養剤などを大量に与えられて育った魚が多いのも事実です。
天然だから安全だとは言いませんが…本来捨てるべき魚や、死んだ魚、弱った魚も加工してしまえば分からないので使われる事も多くあります。
「回らない寿司屋」でも品質の悪いネタで「回転寿司」の何倍もの値段を取るようなところもあるそうですが…、わたしたちも「ただ安いから」という理由で食べ物を選ぶのではなくて、安いという事の意味を、そして理由を知っておく必要もあるのかもしれません。
・回転寿司で食べるべきネタとは?
寿司の値段はどうやって決まるのでしょうか?
まず、魚にかかるコストとして、魚を養殖する業者や、漁師などを始めとし、運送や、配送、加工、保存、販売などの中間業者、飲食店や、寿司屋などで使われる場合は、店舗の費用や、従業員などの費用などなど…。
それらのコストや中間業者の人件費、税金も含めて「消費者」である わたしたちが 全てを負担する事になりますwwww
そう考えると、魚が わたしたちの口に入るまでに「とんでもないコスト」がかかる事が分かります。
銀座なんかにある高級な寿司屋では、「イメージや、ブランド」によって その値段は大きく引き上げられている。とも言えますが…。
他にも、魚の鮮度や 品質、寿司を握る技術 なども上乗せされるので、どうしても「高級なモノ」になってしまうのは仕方ありません。
では、そんな高級なハズの魚が なぜ「回転寿司」などでは、安く食べる事が出来るのか?
それは…上の項で書いた「企業努力」や「徹底的なコストカット」も もちろんありますが…。
実は、魚などの寿司ネタは いくら安く仕入れていると言っても、とても100円なんかで食べられるものではありません!(原価率40~50%と言われている)
では、どうしてあのような値段で提供されているか?
それは、「サイドメニュー」や、原価率の低い「冷凍食品(たまご、エビ)」などで採算を取っているから…です。
そのため、ファミリー層をターゲットとした店舗が多く、子供たちが頼みやすいメニューを豊富に並べるワケです。
わたしたちは ガッツリ「イメージ戦略に乗せられている」と言えます。
「安い」というイメージも あくまで「回らない寿司に比べて」のイメージに過ぎず、サイドメニューなどを メインで頼んでしまった場合は、通常よりも割高な食事になっている可能性すらあります。(魚だけを食べた場合は割安ですがね…ww)
だいたい一人当たりの客単価は「平均で1000円以上」になると言われているので、家族4人などで食べに行った場合の「支払いは4~5千円」となってしまいます。
結果的にそんなに安くもない…!と、なってしまうワケですが…。
つまり何が言いたいのかというと…、「魚は高級品」だという事。
そして、「回転寿司」に行くならば、魚を食え!魚をォ!と言う事です。
なので、他のメニューは「割高で食べる事になるぞ!」という事を知っておくと良いですねww
まとめとか感想とか
なんか、「回転寿司 批判」みたいな事も書きましたが、安く食べる事ができる。それはとてもイイ事だとは思います。
ですが その反面、安く食べる事が出来るというのは、「食へのありがたみ」を薄れさせる原因となっている可能性もあります。
安いモノを追求するのもいいですが、ほとんどの食べ物は 元々は動物であれ 植物であれ「生き物」なんです。
人は その命を頂いている訳ですから。
本来の寿司とは、添加物などに頼る事なく、魚の鮮度に気を使い、素材ありのままの味を引き出すプロが握ってくれるからこそ美味しく、安全に食べる事が出来るモノです。
大量生産のために、消費させるために、ただの「食材」として扱われ、添加物や ロボットによって、便利に、早く、安く、衛生的に作られたモノは…?(人体にとって安全だとは言ってない)
本当に「生き物であり、食べ物である」と言えるのでしょうか…?
日本人は、古くから 海に囲まれた生活をしてきました。
そんな日本人は魚と密接に関りあってきた種族なんだと言えます。
そんな日本人が「本当の寿司」の味を捨て、安さを求める様は 見ていて 少し寂しくもあります。
たまには、日本人の身体に刻み込まれた「魚への愛」を思い出してみましょう。
そして「旬の魚」でも頂いてください。美味しすぎて泣けてくるかもしれませんよ?
わたしたちは、そんな、日本の食文化の「本来の姿」を、もう一度 知るべきなのかもしれません。
ではでは、今回はここまで。また次の記事で会いましょう。
迷った羊の疑問
旬以外の魚は、海外からか、冷凍か、養殖でしか仕入れできないからね。
旬の時期をまとめてくれてるサイトなんかを参考にすればいいよ(果物ナビ)
サバ、サンマ、カツオなんかは日本近海でよく獲れるから、旬の時期だと天然の美味しいモノが食べられるかもね。
特に 生臭い魚には、あると ないでは食べやすさが大きく変わるんだけど、もちろん市販の「練りわさび」なんかじゃダメで、おろしたての「生わさび」で食べてみると、その必然性に気付く事になるよwww
だけど、騒がない事、禁煙である事、香水なども控えめにする。とか 最低限のマナーだけは守っておきたいね。
ぼくは寿司業界に貢献するよ!って事で お兄さん!回らない寿司に連れてってくれ!