ユウサク
みなさんは「放射能」や「放射線」、「放射性物質」、「被ばく」なんて聞いたら どんなイメージを持ちますか?
まあ、大体の人は「危険なモノ」や、「身体にとって悪いモノ」なんて考えを持っている事でしょう。
これらの言葉は特に「原子力発電」がらみで使われる事が多くなりましたが、テレビや メディアでさえ本当の意味を知らずに使っている事もあります。
今回は、そんな「放射能」や「放射線」、「被ばく」、「汚染」なんて言葉の意味なんかを簡単にまとめていきます。
放射能や放射線、放射性物質とは
原子力関係のニュースや、食品の安全性なんかのニュースでよく聞くようになった「放射能」や「放射線」、「放射性物質」なんて言葉ですが…、
聞いただけで嫌なイメージを持つように すっかり刷り込まれてしまっていませんか?
本当の意味や、「いったい何が放射されているのか?」なんて根本的な事を知っている人はいったいどれくらいいるのでしょうか?
って事で、簡単に説明していきます。
「放射線」とは…不安定な原子核から放出される 高いエネルギーを持つ粒子や、短い波長の電磁波(電子の波です)のことを指します。
そして、その放射線を出す能力の事を「放射能」と言います。
つまり…読んで字のごとく
・放射する能力 = 放射能
・放射された原子や電子 = 放射線
・放射する能力を持った物質 = 放射性物質
となります。
なので、放射能を持った放射性物質(放射性同位体)によって放射される原子や電子が 放射線という訳です。
放射線は自然界に存在する「不安定な原子核を持つ物質」が安定するために放射する「α線(ヘリウム)、β線(電子)、γ線(電磁波)」などが一般的ですが。
他にも、人工的に原子核を加速、減速させる事で放射される「X線(電磁波)」や、人工的に原子核にα線をぶつける事で、原子核からはじき出される「中性子線(中性子)」などが存在します。
簡単に説明していきます。(下の図は簡易図です。実際には電子はもっと小さくもっと広範囲に分布するモノです)
原子核が不安定な「放射性元素」は、安定するために「陽子と中性子」を外に放り出そうとしたり、「電子」を放り出そうとします。
その際に、「陽子と中性子」が2個セットで飛び出したものが「α線(アルファ線)」と呼ばれるモノで、(元素で言うところのヘリウムが飛び出す)
逆に、陽子と中性子ではなく「電子」が飛び出したものが「β線(ベータ線)」です。
そして、原子核が崩壊する際に発生する「電磁波(光子)」、それが「γ線(ガンマ線)」と呼ばれるモノです。(綿を引きちぎった時に舞うホコリみたいな感じのイメージwww)
ちなみに「X線(エックス線)」は、γ線と同じようなモノですが、原子核が発するのではなく「高速に移動させた電子」を鉄板などに当てた際に飛び散る「電磁波(光子)」です。
最後に、人工的に「原子核」に中性子やヘリウム(α線)をぶつける事で、中性子のみをはじき出したモノが「中性子線」と呼ばれるモノです。
X線は「レントゲン撮影」で お馴染みですが、これは電子を鉄板に「バチコーン!!」とぶつけた際に「びゃー」っと飛び出す「電磁波(光子)」を利用したモノで、その放射線が密度の高い骨などは透過せず、密度の低い組織のみを透過するためにあのような写真が撮れるという仕組みです。
原子爆弾や、原子力発電所などは 中性子をぶつけた際の核分裂によって生じる「崩壊熱」を利用してエネルギーを生み出します。
「核分裂反応」って言葉を聞いた事があると思いますが、イメージで言うと「糊で固めてたボールの塊」に高速でボールをぶつけると いくつかのボールがはじき出されて、さらにそのボールが他の糊で固めたボールの塊にぶつかって…的な感じで、連鎖的に分裂反応を引き起こします。(例えが分かりずらい…だと…?)
他にも、放射線や 粒子線を使ってガン細胞などを破壊する「放射線治療」や、「食品の殺菌や、滅菌」に使われる事もあります。
歴史などでよく出てくる「年代測定」なんかも放射線技術の応用なんですよ。
放射線による影響
放射線の人体への主な影響は、細胞(DNAなど)を損傷させる事です。
ですので、その影響は 特に細胞分裂の活発な部位で受けやすく、造血機能の低下(骨髄へのダメージ)、生殖機能の破壊(不妊になったり)、白血球の減少(白血病など、それに伴う免疫系の病気)、消化器官の障害などが挙げられます。
高線量の被ばくをした場合は「急性障害」を起こし、出血、嘔吐、全身麻痺などの症状が発症します。
低線量の被ばくの場合、病気になる ならないは個人差があったり、細胞分裂のサイクルによる「潜伏期間」があるため、ほんとうに被ばくによるものなのか?自然に発症したものなのか?というのは分かりにくいと言われています。
特に 白血病や、悪性腫瘍(ガン)は「晩成障害」と呼ばれ、細胞異常が長期スパン(10年単位)で表面化してくる病気のため、一概に放射線による影響かどうか?は分かりにくいのです。
放射線と聞くと大体の人は、核反応によって「毒エネルギー」か何かが放出されている…と思うようですが…
実は そんな事は全くなく、大雑把に言えば ただ「早い速度の分子や電磁波(光子)が人体の細胞などにぶつかる」事によって身体の細胞が影響を受けてしまうというだけの話です。
通常は 放射線がぶつかったとしたとしても、傷付いた細胞は人間に元から備わった自己修復能力によって修復されます。
ですが、高線量の放射線を一気に浴びた時は、傷付いた細胞の修復が間に合わなくなり、身体に異常が発生してしまう事になります。
日常にあふれる放射線
放射線は自然界にも普通に存在します。
太陽光などの宇宙線もそうですし、地球内部のマントルや、地熱、温泉の熱源なども、原子核の「崩壊熱」によって発生しています。
放射性物質が出す「放射線」と太陽光は 実は そんなに変わりません。
太陽光も核反応によって、光(電磁波であり光子)や、ガンマ線を出しています(核分裂ではなく、核融合ですが)
強い放射性のエネルギーを出しているのは同じ事です。
飛行機に乗るとそこそこの放射線を浴びるなんて事を聞いた事ありますよね?
太陽から距離の近いブラジルなどでは自然に浴びる放射線の量が日本の6倍近くあるそうです。(と言っても、ガンの発症率や白血病の患者は日本より少なかったりします)
他にも、ラジウム温泉(放射能泉)などは放射性同位体を含んでいて 同じく被ばくしますし、もちろん地面や大気中にも含まれますから、水、魚、動物、植物などからも普通に摂取したりもしています。
さらに、人の身体に必要な元素である「カリウム」の一部も放射線を発する放射性同位体です。(つまり、人の身体からも放射線が出ているという事です)
このように、実は放射線というものは日常にあふれていたりします。
人体に悪影響だ!なんて思われがちな放射線ですが…自然に存在する放射線は何億年も前から存在するモノです。
生物の身体は、通常量なら浴びても大丈夫なように 適応している!!と言い切ってもいいでしょう。
・人工的な放射線
上の項で「適応しているうォォォぉお!!!」と書きましたが、それはあくまでも「自然に存在する放射線には…」という事です。
人工的に発生させ、高い濃度で、さらに近距離で受ける「X線」は危険である可能性が高いです。(医療用のレントゲンなど)
実際に医療被ばくによる「がんの発生」などは昔から言われている事でもあります。
まあ、「がんの発生原因の根本は他のところにありそうですが…」
レントゲンなどの医療被ばくによって細胞が傷付く事が「引き金となっている」可能性は大いにあるでしょう…。
「がん検診によって がんが発症している」なんて信じられないかもしれませんが…恐ろしいところです…。(医療の闇は確実に存在しますから…機会があれば記事にします)
次に「中性子線」ですが、「中性子線」自体は自然界ではほぼあり得ない放射線で、とても危険である事は間違いありません。
ですが、これは通常の生活をする上で「心配をするモノ」ではありません。
なぜかと言うと…、ウランが核分裂を起こして中性子線を撒き散らすのは「中性子線」をぶつけて連鎖反応を起こすからであって、ウラン自体に中性子を撒き散らす能力はありません。
発電所が事故を起こそうが、冷却水が漏れだそうが、とんでもなく危険な「中性子線に触れる事はほぼない」と言うことです。
最後に「原子力発電所から出る放射線」はどうでしょうか?
核分裂反応を起こした後の廃棄物を「高レベル放射性廃棄物」と呼びますが、これはあくまでもペレットとして高濃度に固められた状態だから危険なのであって、ウラン自体は 海水中や土中にも一定の濃度で普通に含まれている元素です。(上で書いた自然界にある放射線です)
ウランが核分裂反応を起こして発生する「セシウム137やら、ヨウ素131、ストロンチウム90」であっても、放出される放射線は飛距離数m程度しかない「β線(ベータ線)」がほとんどです。
そもそもβ線は「電子」でしかないですし、しかも自然放射ですから…X線などのように加速器で加速していない分 遥かに危険性は低いと言えます。
こういった物質が空気中に存在しようとも、相当の濃度のモノを口にでも入れない限りは大丈夫と考える事ができます。www
なので、実はそこまで神経質にならなくても大丈夫なんです。
・半減期の勘違い
そもそも、「半減期」を勘違いしている人も多いと思いますが…。
半減期の事を 放射性物質が「放射線をずっと出し続けている期間」…だと思っていませんか?
「半減期」とは、放射性同位体(放射性物質)が放射性崩壊を起こしてその内の半分が別の安定した核種に変化するまでの時間…の事です。
どのような放射性物質であっても 分子一つは、一回しか反応を起こさないので一回しか放射線を出しません。
もし、半減期が100年だったとすると、200年の間に1回しか反応が起こらない…って事です。wwww
ウランの分子が一万個集まっていれば、それぞれが一回ずつ放射線を出す反応を起こしてそれで終わりです。
結局は その分子が何万個、何億と集まるので「出し続けているように感じるだけ」なんです。
そのため、半減期が長ければ長いほど「安定した分子」であり、逆に短いほど「不安定な分子」だと言う事ができます。(長い方がずっと残るから危険だ…なんて思ってませんかね?)
そこそこの濃度でなければ問題ない。と言うのはこういった事からも分かってきます。
まとめとか感想とか
なぜ「放射線」と聞くだけでこんなにも嫌なイメージを持つのでしょう?
まあ、メディアの力が大きい事も挙げられますが…
見る方も「言っている事がバラバラ過ぎて」意味が分からない事になっていると気付かないのでしょうか?
難しい言葉を自分で調べる事もしなくなった現代っ子たちは「言われるがままを信じるピュアっ子」なんですかね?
「放射線」については分かりやすく解説されたサイトがあります。
ちゃんとした知識を少しでも知っておくことは自己防衛のためにも必要な事です。
くれぐれも訳の分からない情報にだけは惑わされないようにしたいものです。(このブログがそうだろ?……だと…?)
ではでは、今回はここまで。また次の記事で会いましょう。
迷った羊の疑問
過去には、チェルノブイリ原発の事故とかが有名だよね。30年以上前に起きた「史上最悪」とされる原発事故だね。
だけど、今はチェルノブイリ原発の周辺は 動物や植物達が元気に繁殖しまくって「地上の楽園」みたいになってるって言うから、何が危険かは「イメージや、推測」だけでは測れないよね。(実際に動物はそこそこの濃度の放射能汚染を受けているが、寿命などは変化がなく、むしろ繁殖しまくっているww)
テレビなんかではシーベルトで示されることが多いけど、その単位には注意しないといけないね。
1シーベルト(Sv)= 1000ミリシーベルト(mSv)= 100万マイクロシーベルト(μSv)
で換算できて、〇〇mSv/h などの表記がない場合は時間あたりの線量の事だからね。
ちなみに /m の場合は分あたりで、/s の場合は秒あたりって事は分かると思うけど…。大きな数字に見せるために これらが使われる事もあるから注意が必要だよ。
自分に都合のいいようにデータを改ざんしたり、話を持っていったり、真実を捻じ曲げたり…それがあらゆる分野で繰り広げられるんだから、そりゃ訳も分からなくなるってもんさ。
現代はそんな情報で溢れているからね…。だからこそ、ぼくたちはそんな情報に惑わされないように物事の裏側をちゃんと見るようにしないといけないのさっ!!キリィ
お兄さんのキリィは危ないからとりあえずスルーしとくわっ!